デザインや耐久性のチョイスが幅広い鉄骨造の在来工法による倉庫について、特徴と価格や工期などを紹介します。
日本家屋でもそうであるように、在来工法とは柱と梁を組み合わせて建物の構造体を構成する工法。この場合、建材は鉄骨を採用します。
耐震性や耐久性など建物の強度に優れていますし、ゼロベースで設計から着手する分、デザインや機能などオーダーメイドで用途に最適化させて構築することができます。
自由度が高い分、在来工法で倉庫を建てる場合は設計が固まらないと精緻な建築費用を算出することができません。もちろん、予算に即した設計を提案してもらうのが前提とはいえ、オーダーメイドの建築発注となるため、どうしても費用はかさみがちになる傾向があるのです。
同じような倉庫を建てる場合でも、在来工法だと他の工法よりも鉄骨重量がかさむ傾向に。鉄骨重量が重いと建物全体の重量も重くなるため、丈夫な地盤やしっかりとした基礎工事が必要になり、費用も高くなります。しかしその分強度も増すので、柱の本数を減らした大空間の建設が可能です。
部材や性能によって価格は異なりますが、ここでは一例を紹介します。
倉庫の建築方法として在来工法はもっとも価格が高くなってしまいます。同等仕様の倉庫で比較した場合、システム建築よりも1.5倍程度高くなるケースも珍しくありません。
テント倉庫やプレハブ工法だとさらに安価になります。
在来工法による鉄骨造の倉庫だと、一般的な工期目安は半年程度といわれています。これは、設計を含めたプランニング期間も込みの目安で、施工内容や規模によってはさらに工期が長くなることもあります。
テント倉庫なら60日程度、システム建築なら80日程度、プレハブだと120日程度が目安なので、在来工法は工期がかなり長めであることは覚えておいてください。
倉庫はシステム建築でシンプルなデザインにしても、隣接するオフィス棟ではオーダーメイドの在来工法を採用する企業も見られます。外観カラーリングを倉庫と合わせつつ、オフィスはブランディングを考慮したデザインに仕上げられるのがポイントです。
費用も工期もかさむ在来工法は、汎用的な業務用倉庫では対応しきれず、どうしてもこだわりたいポイントがあって、他工法では難しい場合の選択肢といってもいいでしょう。
倉庫建築は大きな設備投資でもあります。メリットとデメリット両面を加味して、複数の工法を比較検討してから判断しましょう。
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組み立て・加工が5工程以上の
複数の製造ラインが分岐・合流・交差するレイアウト設計や振動・騒音対策など設備条件に応じた間取りに対応。
自社開発の基礎・鉄骨を活用し、システム建築の費用感はそのままに加工工場が求める自由度の高い設計を実現。
長尺材や鉄骨の
クレーンやフォークリフトの動線を妨げず、鉄骨や長尺材などの加工・運搬をスムーズに行える。
最大60m級の無柱空間を実現する構造により、大型資材の保管スペースも十分に確保できる。
衛生基準を満たすための
食品・飲料などの製造環境に求められるゾーニングや空調設計、衛生区画の分離に対応。
設計段階からHACCP認証取得を見据えた仕様提案に加え、専門コンサルタントによる運営支援も受けられる。