システム建築Online 特集『システム建築』最前線

価格

建物を構成する部材を標準化することで営業からアフターサービスまでの建築生産に関するプロセスをシステム化し、商品化した商品を指すシステム構築。在来工法と比べて、いったいどのぐらい価格に差が出るのでしょうか?ここでは、システム建築の価格についてご紹介しています。

システム建築と在来工法の価格の違いは?

倉庫や工場、店舗を建てるときに気になるのが、価格ではないでしょうか?システム建築と従来工法の価格の違いについて解説しています。

システム建築と在来工法の価格の違いは?

在来工法 システム建築
場所 東京都 東京都
価格目安 1億500万円 9,500万円
坪単価 144,628円 130,000円

東京都内で幅50m×長さ48mの倉庫を建築する場合の価格目安を算出した結果、在来工法とシステム建築では1千万円もの差が開くことが分かりました。

在来工法は高額ですが、設計や素材を自由に選べるというメリットがあります。在来工法よりも大幅に費用を抑えて建築できるシステム建築は、建物の部材や建築工法などのプロセスがルール化されていることや、用途に合わせた建築物を基礎から建築まで一貫して商品化されています。

つまり、価格面ではリードしていますが、建築物の自由度が低いという点は在来工法に負けていると言えるでしょう。

しかし、同じシステム建築でも断熱仕様や店舗・工場仕様など用途に合わせてカスタマイズできますから、価格だけ、設計やデザインの自由度だけで選ぶのではなく、在来工法とシステム建築の特性と施工主の建築目的をすり合わせて、もっとも適した建築方法を選ぶのが正解です。

従来よりも安く早く建てるなら「システム建築」

【チェックポイント】

  • 最短で高品質な工場や倉庫を建てたい
  • 可能な限り安く抑えたい
  • 外観はシンプルでも構わない

形状や寸法によって差異はありますが、建築に6か月以上かかる在来工法と比べて、システム建築の工期は最短で2か月半。「大至急、工場を建てたい」といった建築主の要望を叶えられます。機能性を重視してつくられるシステム建築は、事前に使用する部材の種類や寸法、形状が決まっているため、短工期でありながらも耐久性のある高品質な工場・倉庫を建てられるのです。

わずか2か月半でテント倉庫やプレハブよりも頑丈な工場を建築できるだけではなく、費用が安く抑えられるのも魅力の1つ。条件にもよりますが、価格差が大きいと在来工法の2/3程度に抑えられます。在来工法で70,000,000円かかるなら、52,500,000円で建てられる計算になるのです。

短工期で高品質な工場・倉庫を安く建てる分、外観はとてもシンプルなものになりますが、とくに外観にはこだわらないなら問題ないでしょう。

細部までこだわってじっくり建てるなら「在来工法」

【チェックポイント】

  • 機能性も外観もとことんこだわりたい
  • 細部まで自由に選べるフルオーダーで建てたい
  • 工期は6か月以上でも構わない

工期は長くなるものの、システム建築では実現しにくい細部へのこだわりを叶えられるのが在来工法の特徴です。機能性をとことん追求し、用途や好みに合わせて素材を自由に選べます。

在来工法による建築物の寿命は30年以上。この先何十年もその場所にあり続けると考えれば、外観も魅力的なデザインにしたいと思う建築主も少なくはないはず。

こだわる分だけ高額かつ工期が長くなってしまいますが、満足のいく建築ができるのです。

システム建築費用例

ここでは、システム建築の費用例をご紹介しています。

倉庫(幅25m×長さ30m×高さ8m)

場所 東京都
システム建築工事費 30,200,000円
システム外工事費(土間・照明・設計など) 29,000,000円
合計 59,200,000円

倉庫(幅35m×長さ66m×高さ10m)

場所 福岡県
システム建築工事費 77,000,000円
システム外工事費(土間・照明・設計など) 73,000,000円
合計 150,000,000円

工場(幅15m×長さ30m×高さ8m)

場所 新潟県
システム建築工事費 30,700,000円
システム外工事費(土間・照明・設計など) 25,900,000円
合計 56,600,000円

参照元:日鉄物産システム建築(https://www.nst-sumisys.co.jp/simulation/)

システム建築の費用内訳

システム建築の費用は、メーカーの商品によって基本の坪単価があり、それに建物の幅・長さ・高さと建設地を組み合わせることでベースの概算を算出。商品によっては建物の形や構造、資材のバリエーションがあり、その組み合わせによっても価格は変動します。

また、用途別商品だと倉庫仕様よりは工場・店舗仕様の方が断熱性能などハイスペックで、その分費用も高めになります。なお、電気工事や水道工事、図面作成や確認申請などの費用は標準工事費に含まれないケースが多いようです。

費用を削減できるポイント・使うべきポイント

システム建築を建てる際に節約できるポイント

システム建築は規格化されているとはいえ、実際の発注にあたっては細部の検討・調整をすることになります。その中でも節約可能なポイントを2つ紹介しましょう。

柱の間隔を非均等にすると費用もかさみ安全性でもマイナス。開口部も含めて均等間隔することで材料費及び施工費ともに節約できます。

柱と梁の対角線上に筋交いを設置することで建物の構造体を強化することが可能。また、筋交いの効果によって鉄骨を小サイズ化することもできるので、節約になります。

節約しないほうがいいポイント

システム建築の材料や性能、設備などのチョイスでは、初期コストを抑えることがマイナスに作用するものもあります。

例えば、屋根や壁で使う素材はW折板やデッキプレート+シート防水にすると価格は高くなりますが、断熱性や耐久性などが向上し、光熱費やメンテナンス費の削減につながります。費用対効果を精査するには、建築時のコストだけでなく、稼働時の光熱費などランニングコストも試算して比較検討する必要があります。

また、精密加工を行う工場の場合など、振動の影響も加味して土間部分は軽々にコストダウンせず、しっかり施工しておくべきです。

建築費だけでなく稼働後も見通した計画を

イニシャルコストに注目しすぎて投資すべきところのコストまで削減してしまうと、いざ稼働したときに不便に感じたり、光熱費がかさんでしまったりする可能性も。ただ安さを追求するのではなく、必要な設備に合うように建築したほうが、結果的に生産性の向上につながることもあります。やみくもに見積もりを出す前に、まずは建物の使い方を明確に想定し、建てたい建物の建築が得意な業者を選ぶことがビジネス成功のカギになるのです。

建物の完成イメージから選ぶ!
システム建築業者3選

施工別に見る
システム建築業者大手3社
ものを置きたいなら
柱のない大空間が得意な
横河システム建築
  • 規格設計メインで対応。最大60mの無柱空間が得意
  • システム建築業者で唯一の専用工場所有で低価格を実現
作業をしたいなら
自由度の高い設計が得意な
JFEシビル
  • 自由度が高く、導線や設備に合わせた設計が可能
  • 断熱性の高さと丈夫な塗料でランニングコストを削減
生活したいなら
多層階が得意な日鉄物産システム
建築(住金システム建築)
  • 学校や福祉施設向け商品もあり、2~6階まで対応可能
  • 規格商品主体でも自由設計に近い商品もラインナップ