本記事では、水産加工工場を建設するにあたって知っておきたいポイントを解説します。また、システム建築で建設された工場の事例もまとめているため、水産加工工場の新設・増設を検討している企業の方は参考にしてください。
HACCP(ハサップ)は国際的に採用されている衛生管理手法で、正式名称は Hazard Analysis Critical Control Point(危害分析重要管理点)です。食品を扱う事業者は、原則としてHACCPに沿った衛生管理を行うことが法律で義務付けられています。
HACCPには「7原則12手順」という構築手順が定められており、工場を建設する際にもこの考え方を踏まえる必要があります。設計段階からHACCP基準を意識しておくことで、竣工後に追加の設備投資を行う負担を最小限に抑えられ、効率的かつ衛生的な生産体制を整えることができます。
イカリ消毒株式会社の調査によると、食品に混入する金属で多い材質は鉄・ステンレス・アルミニウムです。これらは、工場で使用されているネジやパーツが錆によって脱落し、食品に混入したものと考えられています。
水産加工工場は、室内が湿度の高い環境になりやすいのが特徴です。湿気は菌の繁殖や金属の腐食を促進するため、適切な温湿度管理が欠かせません。また、海水による塩害の影響を受けにくい建材や設備を選定し、計画段階から防錆対策を講じることも重要です。
東日本大震災で被害にあった水産加工工場を再建した事例。使用できる部分は改修し、被害の大きい部分は新規導入することで3つあった生産ラインを元通りに復旧。設計図をもとに同じ規模で再建計画を立てたことで、約半年での再稼働を実現しています。
那珂湊港から直送される新鮮な地魚や魚介類を販売する企業の水産加工場です。規格型をベースに必要な機能を拡張できる、オーダーメイド型のシステム建築で施工。屋根には、防錆性能に優れたガルバリウム鋼板が採用されています。
超低温倉庫と水産物の加工場を併設した工場です。商品の規格に合わせてカット・梱包を行う各種設備に加え、タタキ加工に対応する焼き機、品質・安全管理のための金属探知機を設置。加工から品質チェック、商品の保管まで一貫して対応できる環境が整っています。
広島県呉市にある平屋建ての水産加工場。準耐火建築物仕様に対応した部材を採用しているほか、断熱材の標準仕様で冷暖房効率を高めています。
2020年5月に竣工した水産加工工場の事例。一部が2階建て構造になっており、事務所・加工場・冷蔵倉庫などの機能を集約。工場内は加工工程ごとに区画分けされています。
当メディアは、工場建設を効率よく行いたいと考えている製造関連企業に向けて、工場建築に実績のあるシステム建築メーカーの情報を掲載しています。
つくりたい工場のレイアウト要件から探せるシステム建築メーカー3選を厳選して紹介していますので、システム建築メーカー選びの参考としてぜひご覧ください。
システム建築での工場建設では、レイアウト設計が作業効率や運営に大きな影響を与えます。
柱の位置調整や広さ、衛生区画など、工場特有の要件を満たすためには、設計対応力があり、柔軟な対応ができるメーカー選びが不可欠です。ここでは、特定のレイアウト要件に対応できるシステム建築メーカー3社を厳選し、各社の特徴と強みを詳しく解説します。
組み立て・加工が5工程以上の
複数の製造ラインが分岐・合流・交差するレイアウト設計や振動・騒音対策など設備条件に応じた間取りに対応。
自社開発の基礎・鉄骨を活用し、システム建築の費用感はそのままに加工工場が求める自由度の高い設計を実現。
長尺材や鉄骨の
クレーンやフォークリフトの動線を妨げず、鉄骨や長尺材などの加工・運搬をスムーズに行える。
最大60m級の無柱空間を実現する構造により、大型資材の保管スペースも十分に確保できる。
衛生基準を満たすための
食品・飲料などの製造環境に求められるゾーニングや空調設計、衛生区画の分離に対応。
設計段階からHACCP認証取得を見据えた仕様提案に加え、専門コンサルタントによる運営支援も受けられる。