期間限定での用途に利用したいテント倉庫について、特徴と価格や工期などを紹介します。
文字通りテントのような骨組み(軽量鉄骨)の上にシートを被せることで倉庫として利用できる工法。レール上に設置して、折り畳み形式にする施設もあります。
当然、費用も工期も抑えることができますが、天候や自然災害、盗難といったトラブルには弱いので、用途はある程度限られます。
テント倉庫はれっきとした建築物で、建築確認申請をはじめとする各種手続きは必須。延床面積1,000m2未満・軒高5m以下の平屋建てという条件をクリアしなければなりません。
ただし、一般的な建築物よりも手続きは短くて済みます。
断熱性や気密性は低くなるため、空調や換気設備が不可欠。耐用年数は6~10年程度とされていますが、実際はより短期間での運用で使われます。その分、設置だけでなく解体時の費用と工期も抑えられるのが強みです。
価格の一例を紹介します。
11.7m×18m×5m(210.6m²)のテント倉庫
- 4,786,000円
18m×30.6m×5m(894.24m²)のテント倉庫
- 17,884,000円
30.6m×60.3m×5m(1845.18m²)のテント倉庫
- 建築不可能
倉庫の建築方法をテント、プレハブ、システム建築、在来工法の4つで比べた場合、初期費用がもっとも安価になるのはやはりテント倉庫。
ただし、長期間利用できるわけではなく、シートの張り替えも含めて他の工法よりはメンテナンス費用もかかるので、トータルのコストパーフォーマンスはきちんと精査する必要があります。
テント倉庫の工期目安は1~2か月程度。プレハブ工法だと仕様にもよりますが、1~3か月程度の工期目安なので、スピーディーに導入したい場合はテントかプレハブか迷うところでしょう。
なお、本格的な建築物となるシステム建築でも2.5か月からの工期目安も可能です。
食品や精密機器などデリケートな物品ではなく、保存場所を選ばない製品のメーカーや、製造工程で使う金型の保管などで利用されているケースが目につきます。
テント倉庫は企業にとって長期利用する設備というより、特定用途で限定的に利用する方が向いています。期間限定であったり、工程の中の一時保管であったり、テント型である必然性が明確な場合、初期費用と工期を抑えられるメリットも活きてきます。
内部は必ずしも温度などが安定しないので、安易に導入してしまうと保管した商品を劣化させてしまうリスクがあるのが要注意。
倉庫建築は大きな設備投資でもあります。メリットとデメリット両面を加味して、複数の工法を比較検討してから判断しましょう。
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